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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,細胞の秩序だった形態変化とその制御のシグナル伝達を解析するためのモデル系として細胞性粘菌を用い,特に,細胞質分裂及び細胞基質間接着について,シグナル伝達に関わる分子群を同定し,個々の機能及び分子間相互作用の解析を行った上で,最終的には,組換え体タンパク質の発現精製を経てシグナル分子複合体の構造解析を目指している。今年度は,初年度として,個々の分子の同定、機能解析,発現系の構築を中心に研究を進めた。細胞質分裂シグナルに関わるIQGAP様タンパク質GAPAについては,GFP融合タンパク質を用いた細胞内動態の解析から、GAPAが細胞質分裂時に分裂溝に集積することを明らかにした。また,変異GAPAの実験から,GAPAとGAP-related domainで結合する未知タンパク質は、細胞質分裂には必須だが,GAPAの分裂溝集積には必須ではないこと,ミオシンの欠損株を用いた実験から,ミオシンもGAPAの分裂溝集積には必須でないことを明らかにした。一方,低分子量GTPaseのRac1AとRac1Bについて大腸菌での発現・精製系を構築し,GAPAとの弱い結合を明らかにした。また,GAPAの発現・精製系に関しては,大腸菌系では量・質ともに不十分であると判明し,バキュロウイルス-Sf9細胞系の検討に着手した。細胞質分裂に関わるCykAタンパク質に関しては,欠損株の解析から細胞質分裂の終結に関わること,進化上保存されたタンパク質であることを明らかにし,ホモログ分子のクローニングと配列決定を行った。また、大腸菌系による発現を検討中である。細胞基質間接着に関しては、タギング法で得た6株の変異株からタグに隣接した領域のクローニングと部分配列の決定を行ない,そのうちいくつかで,はっきりとしたopen reading frameを見いだした。現在全長cDNAのクローニング中である。
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