Project/Area Number |
10179208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
片岡 幹雄 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (30150254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今元 泰 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80263200)
徳永 史生 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80025452)
三原 憲一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (10304164)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | Photoactive Yellow Protein / 光構造変化 / X線溶液散乱 / Grb 2 / 分子間情報伝達 |
Research Abstract |
PYPは紅色光合成細菌の光走性の光受容体である。ロドプシンなど多くの光受容体が膜蛋白質であるのに対し、PYPは水溶性であるという特徴を持っている。我々はPYPによる光情報変換の分子機構を理解するために、光吸収に伴うPYPの構造変化の検出、PYPの標的蛋白質の同定と精製を目的として研究を行った。PYPの暗黒下及び光照射中でのX線溶液散乱実験を行った。その結果、PYPは光吸収により慣性半径が2A程度増加することが明らかになった。この事実は、PYPの光反応中間体において、蛋白質全体にわたる構造変化があることを示唆する。PYPの標的蛋白質は現在同定されていない。我々は既にPYP遺伝子の上流に高度好塩菌のsRのトランスデューサーに類似した配列があることを見出している。しかし、これがPYPの標的蛋白質であるかどうか検証できないため、光照射によりPYPに特異的に結合する蛋白質を検出することを試みた。この目的のためにPYP力ラムを調整し、長寿命のM中間体ができるpH領域で、光照射の有無により、溶出パターンを調べた。その結果、光照射により特異的にカラムに結合する両分を得ることができた。標的蛋白質の候補と考え、現在、さらに精製を進めている。 細胞内情報伝達に重要な役割を果たすGrb2のX線溶液散乱実験を行った。Grb2の散乱データから得られた距離分布関数は、結晶構造に基づき計算した距離分布関数とは一致していない。最大長や慣性半径も観測値の方が、計算値よりもかなり大きい。これらの結果は、二つのSH3ドメイン間の距離が、結晶中よりも溶液中で広がっていることが示唆される。現在、溶液散乱データを説明できる溶液構造モデルを構築中である。
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