ケモカインSDF-1のエイズウイルス感染抑制因子としての意義
Project/Area Number |
10180207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤井 雅寛 新潟大学, 医学部, 教授 (30183099)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | エイズ / HIV / ウイルス / CD8 / SDF-1 |
Research Abstract |
1、HTLV-1TaxによるSDF-1の発現誘導:様々なT細胞株についてSDF-1の発現をRT-PCR法により検討した。SDF-1の発現は、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)に感染したT細胞株において亢進していた。HTLV-1の転写活性化因子Taxは様々な細胞遺伝子の発現を誘導することが報告されている。誘導性のTax発現プラスミドを導入したT細胞株を用いて、TaxがSDF-1の発現を誘導することが示された。これまで、SDF-1はストローマ細胞などにおいて恒常的に発現していることが示されているが、エイズウイルスの宿主細胞であるT細胞においても、誘導性にSDF-1が発現し、エイズウイルス感染抑制因子として機能する可能性が推定された。現在、正常末梢血単核球中におけるSDF-1の発現およびそのエイズウイルス感染抑制因子としての意義について検討している。 2、エイズウイルス感染者、末梢血単核球におけるSDF-1の発現:エイズウイルス感染者のCD8細胞はウイルスの複製を生体内および試験管内において著名に抑制する。このCD8の抑制活性は無症候性ウイルスキャリアーにおいて検出され、エイズ発症に伴って消失することから、エイズ発症を阻止している重要な生体防御機構であることが示唆されている。ウイルス感染者および健常人の末梢血リンパ球を用いて、CD8細胞によるウイルス複製抑制活性とSDF-1の発現について検討したが、これらの間には相関が見られなかった。即ち、CD8細胞はSDF-1の発現とは異なるメカニズムを介して、ウイルスの複製を抑制をしていることが示唆された。一方で、エイズウイルス感染者(特に、無症候性キャリアー)のSDF-1の発現は健常人よりも亢進していた。従って、SDF-1はCD8とは異なるメカニズムを介して、無症候性キャリアーにおけるエイズウイルスの複製を抑制することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)