Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 繁美 日水製薬, 医薬事業部, 医薬研究部長
向井 鐐三郎 国立感染症研究所, 主任研究官 (90133040)
岡 慎一 国立国際医療センター, エイズ治療・研究開発センター 臨床研究開発部, 部長 (20194326)
三隅 将吾 熊本大学, 薬学部, 助手 (40264311)
古石 和親 熊本大学, 薬学部, 助手 (40238663)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
HIV固有の産物に直接作用する阻害剤等はウイルスの持つ易変異原性のため,耐性ウイルスの出現を容易にし,人類のエイズ制圧の夢を打ち砕いている.エイズウイルスの爆発的な転写は,細胞の転写活性化タンパク質nuclear factor kB(NF-kB)及びHIV-1transactivator(Tat)によって営まれる.この爆発的転写を抑えるために,申請者らは,細胞性因子とウイルス因子を同時に抑える手段を考え,NF-kBとTatの活性チオール基に注目した.NF-kBのチオール基はNF-kBの活性化,核酸への結合に必須であり,Tatのチオール基はZn-フィンガー形成に必須である.1剤で両活性を阻害できれば,HIVの爆発的増殖を抑制することができる.チオール基との反応は,-S-S-形成反応,-S-S-交換反応が最も効果的であるので,生体内・天然に存在するジスルフィド化合物を調べ,チアミンの前駆体として化学合成されたチアミンジスルフィドのジミリストイル化合物力高い抗HIV活性を有することを発見した. 本剤は,チアミンジスルフィドの2水酸基に2ミリストイル基を導入し,脂質移行性及び-S-S-の反応性を高めた化合物で,培養細胞に対する細胞毒性は著しく低い.マウスに対する急性毒性(LD50)は,630mg/kgで,サルエイズに対してはLD50の1/20量で十分に有効で,エイズ発症サルに対し,投与開始2週間後からCD4陽性細胞の著しい上昇とCD8陽性細胞増加が認められ,血液中からSIVが検出限界以下に低下し,その作用は約6ヶ月間続いた.現在,製剤化について検討中である.
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