Project/Area Number |
10180230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
水落 次男 東海大学, 工学部, 教授 (90133149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 宗宏 東海大学, 工学部, 助教授 (00266371)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 細胞性免疫応答 / エイズ / 細胞障害性T細胞 / 遅延型アレルギー反応 / ハエ糖脂質 / アジュバント / MAIDS / SIV |
Research Abstract |
最近、HIVの感染防御における細胞性免疫反応の重要性が指摘され、エピトープペプチドも報告されてきているが、それらに対する細胞性免疫をヒトに誘導できる安全で実用的なアジュバントは現在皆無である。我々はこれまでにオリゴマンノースを導入した人工糖脂質で被覆したリポソームが細胞性免疫反応であるDTHやCTL応答を誘導するアジュバント活性を有していることをマウスを用いて見いだし、予備的ではあるが、このアジュバントを用いたペプチドワクチンがMAIDSの発症を抑制できることを示した。今年度の研究では、このアジュバントのヒトへの応用を目指し、まず、(1)このアジュバントの毒性試験をサルを用いて行い,通常投与する量の100倍量を投与しても毒性を示さないことを確認した。(2)SIVgag p27に対する4種のモノクローナル抗体を作製して精製後、抗体カラムを作製し、このカラムを用いて抗体カラムクロマトグラフィを70回繰り返し、サルを用いたSIV感染防御実験の抗原となるSIVmac239のgag p27抗原を7.84mg精製した。(3)人工糖脂質被覆リポソームおよびalumをアジュバントとして用いて、この精製gag p27抗原でサルを免疫した後、体液性免疫誘導能を抗p27抗体の産生(ELISA)で、細胞性免疫誘導能をDTH反応の誘導を指標にして調べた。その結果、alumはgag p27抗原に対する抗体産生をほとんど誘導せず、DTHアッセイでも一過性のジョンズ・モート反応しか誘導できなかったが、人工糖脂質アジュバントはサルに対してgag p27抗原に対する抗体産生を誘導するとともに、抗原特異的DTH反応を強く誘導できることが明らかになった。これらの知見は、人工糖脂質アジュバントが液性免疫と細胞性免疫の両方を効果的に誘導できる安全なアジュバントであり、エイズワクチンの開発にとって大変有用であることを意味している。
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