Project/Area Number |
10181206
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 光 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60282638)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 博夫 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
柴田 洋一 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30010474)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 細胞内情報伝達 / 受容体 / GM-CSF |
Research Abstract |
GM-CSF受容体の下流に存在しGM-CSF刺激によって活性化をうけることが知られているRas pathway構成分子のひとつであるGrb-2に着目した。ヒトGM-CSF依存性白血病細胞株であるUT-7細胞を用いて、Grb-2を特異的に認識する抗体を用いた免疫沈降法と抗リン酸化チロシン抗体を用いたウエスタンブロット法を用いてGrb-2に会合するリン酸化蛋白質の解析を行った。解析の結果、分子量95kDa,135kDaのリン酸化蛋白質が抗Grb-2抗体によって共沈された。GST-Grb-2 fusion蛋白のaffinity columnを用いて分子量135kDaの新規のリン酸化蛋白質(pp135)の純化・精製を行い、遺伝子クローニングを行った。クローニングされた塩基配列よりpp135はSH2ドメイン、SH3ドメイン、Proline-richドメインを一つずつ有し、Inositol polyphosphate-5-phosphatase蛋白質に認められるモチーフを有していることが明らかとなった。このpp135について更に解析を進めた結果、実際にpp135はInositol polyphosphate-5-phosphatase活性を有しており、UT-7細胞に於いてGrb-2分子との恒常的結合、GM-CSF刺激による誘導的チロシンリン酸化が明らかとなった。また、UT-7細胞以外のヒト造血因子依存性細胞株を用いた解析によって、pp135はGM-CSF以外にIL-3及びEPO刺激によっても誘導的なチロシンリン酸化を受ける事実が確認され異なる帰属の造血細胞の細胞内情報伝達に関与する可能性が示唆された。さらに興味深いことに、Bcr-Abl陽性のヒト白血病細胞株(K562)においてはpp135は恒常的なリン酸化を受けており、本分子が白血病発症と関係している可能性も示唆された。
|