Budget Amount *help |
¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
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Research Abstract |
「分子包接による電気化学的シグナル変換に基づく新規化学センシングシステムの開発」に関する研究の継続的展開並びに新たな発展として,優れたドーパミン/生体無機イオン(NH_4^+,K^+,Na^+)の膜電位変化の選択性を中心に多面的な検討を行った結果,以下のような知見が得られた。 1.ドーパミンと選択的にホスト-ゲスト錯体を形成するカリックス[6]アレーン誘導体(1)並びにホモオキサカリックス[3]アレーン誘導体(2)のPVC担持液膜について,ゲスト濃度に応じたNernst電位応答挙動に注意しながら,ドーパミン/生体無機イオン(NH_4^+,K^+,Na^+)の膜電位変化を詳細に調べ,その選択性を支配する二つの要素として,(1)ゲストの脂溶性,(2)ホスト-ゲスト錯体形成の強さを分離して評価した。その結果,ホスト1と対照的にホスト2がドーパミン/生体無機イオンについて高選択的な膜電位変化を示す理由が,上記の要素(2)に関する優れた選択性に基づくことが明らかとなった。 2.優れたドーパミン/生体無機イオン選択性を示すホモオキサカリックス[3]アレーン(2)について,^1H-NMR実験及び非経験的分子軌道計算(モデル化合物に対するHF/3-21G^*法)に基づいてホスト-ゲスト錯体の構造を推定した。その結果,ホスト-ゲスト相互作用は,ドーパミンの場合には主にホストのエーテル性酸素との水素結合であるのに対して,無機ゲストであるNa^+の場合には,ホストのエーテル性酸素並びにフェノール性酸素の両方との電荷-双極子相互作用であることが示唆された。
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