紫外線による複眼の損傷−生息環境の違いによる比較研究
Project/Area Number |
10640670
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
動物生理・代謝
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
江口 英輔 横浜市大, 理学部, 教授 (90046003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟻川 謙太郎 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (20167232)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 複眼 / 紫外線 / ラブドーム / 光損傷 / 昆虫 / 甲穀類 / 細胞死 / アポトーシス |
Research Abstract |
甲殻類や昆虫の複眼の紫外線による損傷のメカニズムを明らかにするため研究を行い、オゾン層の減少に伴う紫外線の増加が生物に与える影響に関する研究の一助とするため研究を行った。また日本とフィンランドのように温度、日光の波長分布など気象条件が異なった地域に生息する同種(または近縁種)の動物の間には紫外線による損傷の程度に違いがあるのかどうかを比較研究した。まず、甲殻類ではザリガニ、昆虫ではナミアゲハの複眼を人工的にかなり強い紫外線(太陽光に含まれる紫外線の3〜5倍程度)で照射し、複眼の網膜の光受容膜であるラブドームの微細構造の変化の観察を行った。ナミアゲハの複眼では個眼ののどの視細胞がどの種の色受容細胞であるかが、すでに分かっているのでまず、この動物を用いて、どの色受容細胞が強い紫外線の照射により壊れやすいのか、壊れるとしたら視細胞がどのような崩壊の過程をとっていくのかについて観察を行った。その結果、紫外線、紫、青などの短波長に最大感度を持つ細胞が選択的に細胞死(apoptosis)を起こすことがわかった。即ち、細胞質は黒化し、ライソソーム系の小体が異常に増加し、核は小型化し黒ずんでくる。興味あることにラブドームはこの段階でも壊れていない。他方、ザリガニ(甲殻類)のラブドームは先端視細胞(R8を除き)強い紫外線照射により7個の通常視細胞(Rl〜R7)のラブドームは容易に破壊される。崩壊したラブドームでは、ラブドームのmicrovilliのcore-filament(actin)の断片化が起こり、その後microvilliの膨大化や配列の乱れなどが起こる。 しかし細胞質や核はライソソーム系の小体が増加してはいるものの、ほぼ正常であり細胞死(apoptosis)は起こしていない。要するにザリガニではアゲハチョウと逆のことが起こっている。これらの結果から紫外線による複眼視細胞の損傷の程度や様態も種により多様であることが分かる。フィンランドの昆虫(シロチョウ、クマバチ)などは日本の昆虫より紫外線の照射により壊れやすいことが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)