肺癌の進展における血管新生の関与とその生物学的修飾に関する研究
Project/Area Number |
10670547
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
楊河 宏章 徳島大, 医学部附属病院, 助手 (50263827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 栄治 徳島大学, 医学部, 助手 (90284281)
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Project Period (FY) |
1998 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 肺癌 / 血管新生 / Th2サイトカイン / VEGF / 癌性胸膜炎 |
Research Abstract |
肺癌患者を対象とした検討において、血管新生の促進や抑制に関与する因子と、その発現に関する制御機構を特にTh2細胞由来サイトカインの面から解析した結果、以下のような結果を得た。 1、癌性胸膜炎を対象とした癌局所におけるTh1/Th2バランス、血管新生促進因子、抑制因子の動態の解析。肺癌に合併した癌性胸膜炎において、Th2細胞由来サイトカインであるインターロイキン-10(IL-10)が存在することを既に報告したが、更に血管新生促進因子に関する検討を行い、vascular endothelial growth factor(VEGF)レベルが肺癌に合併した癌性胸膜炎において、良性浸出性胸水、漏出性胸水より有意に高いこと、また遠隔転移のある肺癌症例でより高値を示す傾向を示すことを明らかにした。さらにinterferon-γを用いた胸腔内治療において、胸水中のVEGFが治療有効症例においてのみ低下することを見い出した。 2、肺胞マクロファージを用いた肺癌患者におけるTh2サイトカイン産生動態の検討。肺癌患者の肺胞マクロファージを用いた検討で、IL-10の産生能は健常人のそれとほぼ同等であること、しかも肺癌の種々の組織型、遠隔転移を有さない例(StageI-IIIB)と遠隔転移の存在する例(StageIV)でIL-10の産生能に差はないことを示し、肺癌患者に見られるTh1/Th2バランスの偏位は単にマクロファージのサイトカイン産生異常のみに起因するのではない可能性を示した。 今後、肺癌患者に見られる血管新生促進因子と抑制因子の動態をTh1/Th2バランスとの関係を介してさらに解析し、特に臨床的に癌性胸膜炎を対象とした治療において見られる動態の詳細な検討を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)