Project/Area Number |
10670587
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 元博 九大, 医学部, 教授 (90038638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛松 省三 九州大学, 医学部, 講師 (40164008)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | カイニン酸誘発てんかん / 辺緑系発作 / ラット / 熱ショックたんぱく / ミクログリア / 海馬 / 経シナプス性賦活 / 発作伝播経路 |
Research Abstract |
目的・方法:これまで我々は、カイニン酸(KA)誘発海馬てんかんにおいて、てんかん活動の脳内伝播経路に従ってミクログリアの活性化が生じることを見出した.本年度はニューロンの損傷やストレスによって脳内に発現する熱ショック蛋白(HSP)27の発現の有無を、同一のラット・てんかんモデルにおいて検索した.HSP-27の発現は、抗HSP27抗体による凍結脳連続切片の免疫染色によって検索した.KA全身(腹腔内)投与5匹についても同様の検索を行った. 結果:KA投与ラットはいずれも辺縁系てんかんに特徴的な発作を生じた. 1. KA投与6時間後:HSP27の発現を認めなかった. 2. KA投与3日後:脳内にHSP27発現が認められ、KA投与側の海馬、その他の辺縁系構造(扁桃体、嗅内野皮質、梨状葉皮質、中隔核等)、視床下部、視床に明瞭であった.海馬は注入と反対側にもHSP発現を認めた.大脳基底核、小脳、脳幹部には発現を認めなかった.HE染色により海馬錐体細胞の脱落を認めたが、他の部位のニューロンの形態変化は認めなかった. 3. KA投与4週後:3日後とほぼ同様の所見を認めた. 4. 全身投与(3日後):HSP発現が両側半球に対称性であったこと以外に、脳内分布の基本的相違はみられなかった. 考察と結論:HSP27発現の脳内分布はミクログリア活性化の分布と基本的に同一であり、局所脳糖代謝を指標として調べた海馬発作の脳内伝播経路と一致していた.従ってミクログリア活性化と同様に、HSP27発現もてんかん活動の経シナプス性伝播によって、ニューロンの形態的変化を伴うことなく、機能的影響によって生じるものと考えられる.この現象の生物学的意義については、ミクログリア活性化同様、今後の研究課題である.
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