精神疾患および痴呆性疾患の非侵襲的検査法による客観的診断法の研究
Project/Area Number |
10670910
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
藤井 充 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80199299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深津 亮 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10113614)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 痴呆性疾患 / アルツハイマー病 / 視空間障害 / 眼球運動 / 眼球―頭部協調 / 眼球―頭部―手協調 / 画像診断 / 痴呆 / 眼球-顎部協応 / 眼球-頭部-手強調運動 |
Research Abstract |
代表的な痴呆性疾患であるアルツハイマー型痴呆(初老期発症AD、老年期発症SDAT)の視空間認知障害の本態と診断的意義を明らかにするために、客観的指標として眼球運動(視線軌跡)と眼球運動に関連する強調運動について解析して、検査時に画像診断を行い責任病変について検討を加えた。上記のほかに血管性痴呆(VD)、健常老年者(HC)を対象とした。 1.構成行為と眼球運動:眼球運動はvision analyser(竹井器械)を用いて測定記録しコンピュータにて解析した。 (1)定性的所見:ADでは右半側空間への注視点の偏在・集中が見られるなど半側空間無視(ULN)の傾向が見られた。その傾向はAD>SDAT>MID=HCの順で明瞭であった。その他注視点の彷徨、固着などのBalint症候群に類似の特徴的所見も認められた。 (2)定量的所見:ADでは平均眼球速度(AGV)ピークはHCでは4-8deg/secであったが、AD群では速い速度、ないしは遅い速度へのシフトが見られた。この傾向はAD>SDAT>MID=HCの順で明瞭であった。 2.眼球-頭部協調運動:左右の指標に視線を移動するとき、AD群では頭部運動が引き起こされないという特有の所見が見られた。 以上の所見は視空間機能を遂行するための座標系、座標系相互の変換に障害が存在することを示唆している。 3.画像所見:画像診断としてMEG、fMRI、SPECTなどを用いて検討した。臨床的制約と方法論的制約からMEGとfMRIは使用困難であり、SPECTを用いて検討した。空間的解像度に制約があるものの頭頂-後頭葉領域の活性低下と相関を示す症例が多く認められた。 これらの所見を勘案すると、ADでは病初期から頭頂-後頭葉領域の機能低下によって諸視空間座標系ないし座標系相互の変換に障害が生じていると考えられ、これら客観的診断法の診断的意義は高いと結論される。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)