Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
前年度までに,保険診療で用いられる歯科用合金と多くの金属に対する金属アレルギー患者において用いられる純チタンを用い,口腔内をシュミレートした浸漬試験を行い,その結果を比較・検討し,純チタンの方が他の歯科用合金に比較して化学的に安定していることを明らかにした. しかし,純チタンでも有機酸の種類によっては腐食抵抗が小さくなったことから,口腔内唾液プラークの性状および食生活により,異なる影響を受けることが予測できる.そこで,さらに口腔内環境を考慮して,有機酸の種類とpHの影響を調べるために純チタンを用い浸漬試験を行い,口腔内で起こり得るであろう変化を調べた.今回,プラーク中に含まれる有機酸である乳酸,ぎ酸および酢酸と口腔内に摂取する機会が多いとされる有機酸であるしゅう酸を用い,pHは,1.0〜8.5まで調整した. 実験の結果,純チタンにおいては,外来成分であるしゅう酸において最も腐食することが明らかとなった.さらに,環境のpHが変化することにより,溶出,重量変化および色が変化することが明らかとなった.しかし,その影響の大きさは,金属を取り巻いている成分の組成や濃度によっても変化し,pHが低い場合には特に腐食しやすくなることが明らかになった.したがって,金属アレルギー患者において,溶出したチタンによってるアレルギー反応が起こりうることも考えられるため,使用する際には十分な配慮が必要なことを示唆した. 一方で,これと同時に,金属アレルギー患者の口腔内の緩衝能をサリバテストやpH試験紙を用いて,健常者との差がないかどうか,また,義歯の装着の有無によってどう変化するかを調査している.
|