Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
運動視差、両眼視差、単眼的輪郭の奥行手がかりの処理過程が起伏の空間周波数対応チャンネル的過程を共有しているのか検討する心理物理実験を実施した。実験においては、これらの手がかりが様々な空間周波数の正弦波関数にしたがって垂直方向に起伏する表面をシミュレートするステレオグラム刺激を提示し、奥行知覚閾値を測定した。運動視差と両眼視差が同じ空間周波数(0.19cpd)で、かつ同じ位相で起伏する表面を提示した場合、それぞれの手がかりが単独で提示された場合よりも有意に閾値が低下する。他方、単眼的輪郭と両眼視差とが同じ空間周波数で、かつ同じ位相で起伏する表面を提示した場合には、閾値の変化は認められない。運動視差と両眼視差が同じ空間周波数で、かつ逆位相で起伏する表面を示した場合、それぞれの手がかりが単独で提示された場合よりも有意に閾値が上昇する。単眼的輪郭と両眼視差とが同じ空間周波数で、かつ逆位相の起伏を提示した場合には、一貫した閾値の変化は認められない。これらの結果は、運動視差からの奥行知覚過程と両眼視差からの奥行知覚過程が何らかの過程を共有していること、その過程は単眼的輪郭からの奥行知覚過程との間では共有されていないことを示唆している。以上の結果の一部は1999年の視覚学会で発表され、2000年のARVOでは発表される予定である。
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