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現代社会における森林管理の担い手

Research Project

Project/Area Number 10710090
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 社会学(含社会福祉関係)
Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

藤村 美穂  佐賀大学, 農学部, 講師 (60301355)

Project Period (FY) 1998 – 1999
Project Status Completed (Fiscal Year 1999)
Budget Amount *help
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Keywords森林管理 / 山村 / コモンズ
Research Abstract

コモンズという言葉の意味は、最も単純な表現を用いるなら、「みんなのもの」であるということができる。近年、コモンズが注目されるようになった理由のひとつは、ある場所や自然が積極的な意味で「みんなのもの」であることによって、個人の自由で無方向な利益追求が何らかのかたちで制限されているという事実があるからである。日本の農山村における地域資源は、タイトなルールをもったコモンズとして有名である。しかし近代の貨幣経済の浸透や法制度の変化は農山村の暮らしにも大きな影響を与えた。本研究では、和歌山や宮崎の山村、阿蘇の調査にもとづいて、現代社会において森林(地域資源)がどのようなかたちで人とむすびついているのか、だれが責任をもって森林の管理を担って行くことができるのかについて考察を行った。
得られた知見は、現在では法制度のうえでは最も自由に振る舞えるはずの在村の山林地主もまた、純粋に利益を追求できる個人ではないということである。彼らの山は、家という縦の時間のなかでの「みんなのもの=家産」であるとともに、生活圏という横の広がりにおいても総有というかたちで「みんなのもの=むらの空間」でもある。すなわち、むらで生活するためには、家のつきあいや他のむら人とのあいだのしがらみというかたちでの縛り(制限)が存在する。重要なのは、コモンズはこのような日常世活のすべてにかかわるような「あたりまえ」の縛りのなかでなりたっているこということである。もうひとつの知見は、阿蘇の草原のように、入会権をもっている地元以外の都市部の住民たちが働きかけることによって「みんな」の範囲が実質的に開かれつつあるところも存在するということである。この場合も、地元の村々の判断によってその開かれ方はさまざまである。そしてそれによって、地域資源の植生も管理形態も異なる。さまざまな社会関係の中心にいる存村の人びとがどのように自分の土地や生き方を開いていくかということ、そして彼らもふくめた「みんな」の範囲をいかに設定されていくが、現在のコモンズのあり方を方向づけていくための具体的な力を生み出していくのだろう。

Report

(2 results)
  • 1999 Annual Research Report
  • 1998 Annual Research Report
  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 藤村美穂(分担執筆): "講座人間と環境 景観の創造"昭和堂. 25 (1999)

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      1999 Annual Research Report
  • [Publications] 藤村美穂(分担執筆): "シリーズ環境社会学(2)コモンズの社会学"新曜社(近刊予定). (2000)

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      1999 Annual Research Report
  • [Publications] 藤村美穂(鳥越皓之編): "『講座人間と環境4巻 景観の創造』(5章「森の景観」担当)" 昭和堂, (1999)

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      1998 Annual Research Report

URL: 

Published: 1998-04-01   Modified: 2016-04-21  

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