コミュニティ放送におけるメディア変容とインターネット活用の現状に関する研究
Project/Area Number |
10710108
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
|
Research Institution | Siebold University of Nagasaki (1999) Beppu University Junior College (1998) |
Principal Investigator |
森田 均 県立長崎シーボルト大学, 国際情報学部, 助教授 (30270151)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | コミュニティ放送 / インターネット / ホームページ / ハイパーテキスト / HTML |
Research Abstract |
本研究の目的は、最小の地域を放送対象として地域社会との密着を目指した放送メディアであるコミュニティ放送局が、文字や画像情報を提供可能なインターネットのホームページを活用することによってどのように変貌を遂げたのかを明らかにすることである。本研究の成果として、以下のような変容の諸相が明らかになった。第一は、コンテンツの変容について。コミュニティ放送局は、放送メディアの枠内における制度改革の試みによってではなく、あらゆる放送メディアの中でインターネットの衝撃を最も強く受けたものと位置付けることが可能である。コミュニティ局がホームページを持つ意義は、最小の放送対象地域から全世界へ向けての情報発信が可能となること、条件さえ整えば動画までも発信出来ることなど、音声放送メディアという概念から脱皮する糸口となると考えられる。第二に、リスナーの変容について。コミュニティ局にとってホームページとは、フロー型の情報発信を低出力という最悪の条件で行う「放送」のエリアを広げ、蓄積型情報発信によるリスナーとのコミュニケーションを行う場を獲得させ、異なるコミュニティ局や他のメディアとの連携を行う可能性を模索する手段となった。これは、リスナーがもはや単なる受け手だけの存在ではあり得ないことに対応している証左であるとも考えられる。また、コミュニティ放送局によるインターネット活用において最近の傾向としては、ホームページを地域情報の交差点として積極的に活用する局と、RealAudioなどによるインターネットを介した番組の発信をますます先鋭化させる局とに分化している。第三に、メディア秩序の変容について、コミュニティ放送局によるインターネットの活用は、放送とインターネットの補完的利用の好例と考えることが出来る。一方で、コミュニティ放送の制度化が番組制作ノウハウの移転や放送中止など、免許を要しないマイクロラジオへ影響を与えていることが明らかになった。これは、放送制度の変更が制度の外側にいるメディアに及ぼした影響の一例と言える。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)