日中戦争期・中国国民党政権下における高等教育改革の構造と効果に関する研究
Project/Area Number |
10710128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
橋本 学 広島国際大学, 医療福祉学部, 助教授 (80284222)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 日中戦争 / 中国国民党 / 高等教育改革 / 機関整備 / 教育環境 / 研究環境 / 人材養成 / 抗日文化 |
Research Abstract |
日中戦争(1937〜45年)下、陪都・重慶を中心とする中国国民党政権(以下、重慶政権と略)の支配地域には、日本側侵攻を避けるべく高等教育機関の大半が多くの教育者・研究者と共に移転し、これを背景に行政側は高等教育改革を推進したが、上記専門家が改革検討に積極的に関与し、「抗日文化」を醸成させたことは注目に値する。 本研究の目的は、以上の諸史実に鑑み、1.重慶政権下における高等教育方面の課題、2.行政側による制度改革の内容と根拠及び問題点、3.改革内容をめぐる論争と争点、等の考察をとおして、改革の構造的解明を行うと共に、4.改革の効果の検証により当該期高等教育の意義を検討することにあった。 平成11年度は、平成10年度における成果(主に上記研究目的1〜3に関して:「平成10年度研究実績報告書」参照)を基盤としつつ上記研究目的の第4項の遂行を図った。具体的作業と判明点は概ね以下のとおりである。 1.改革効果の検証を行うに当たり、高等教育関与者(人文・社会・自然の各分野を含む教育・研究担当者)及び教育授与者に関する人物辞典・伝記類の収集に努めると共に、そのデータベース化、各人物の活動内容に基づく分類整理を行い、平成10年度の成果に加えて、新たな分析基盤とした。 2.この結果、高等教育改革は、新設「学術審議委員会」(有業績者等で構成)により改革案が立案されていたこと、その改革内容は教員評価・修士学位審査の一元化、サバティカル制度の導入、博士学位授与システムの開発、研究院・所(大学院に相当)の整備拡充等多岐にわたる点が判明した。 3.また、1での成果(人材データ)と併せて見た場合、これら改革は日中戦争下の海外留学・国際学術交流停頓に伴う専門的人材養成に係る困難を克服したに止まらず、学術発展に大きく寄与したことが判明した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)