Project/Area Number |
10710164
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
|
Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
岡野 友彦 皇学館大学, 文学部, 助教授 (40278411)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 久我荘 / 久我家 / 条里制 / 荘園景観 / コンピュータグラフィック / 荘園制 / 山城国久我荘 / 荘園景観復元 / 重層的土地権利関係 / コンピューターグラフィックス / 久我家領荘園 / 中世土地台帳 |
Research Abstract |
山城国久我荘はその故地に条里制遺構が現存している一方で、中世における土地利用・所有状況等を、条理ごとに記入した土地台帳もまた残されているという荘園である。かつて、杉山博氏ならびに私は、その中世土地台帳の記載内容を条里制の枠に描画し、中世久我荘を景観的に復元したことがある。しかしこれは手作業によるものであったため、多層的な表現を十分に行うことができなかった。本研究は、これをコンピュータによって行うことで、従来の研究の欠を補ってみたものである。 補助金交付最終年度に当たる本年度は、まず京都市伏見区久我地方における農業用水の利用状況(水がかり)について、学生などによる研究補助を活用し現地調査を実施した。次に昨年度、本補助金で開発したソフトを用いて、中世土地台帳のデータをコンピュータグラフィック上に表示し、スキャナで画像入力した地図や空中写真などと重ね合わせる作業を行った。こうして画面上に表示された復元結果を、様々な組み合わせ表示で出力した結果、次のような新知見が得られた。第一に、久我荘を灌漑する最も主要な用水は、荘園領主久我家の屋敷の周囲を、堀のように流れて久我荘内に注いでおり、これは久我家が、久我荘の灌漑用水を管理する地位にあったためと推定されること。第二に、久我本荘と呼ばれる下久我荘の「散在」性に比べて、久我新荘と呼ばれる上久我荘の「一円」性が明確となり、これは「新荘」が、旧公田(国衙領)を囲い込む形で成立した荘園であるためと考えられること。以上の2点である。これらの新知見については、現在刊行準備中の拙著『中世久我家と久我家領荘園』(平成12年度科学研究費補助金研究成果公開促進費申請中)において発表する。なお雑誌論文としては、久我家領荘園の伝領に関する研究を、複次的な研究業績として発表した。
|