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明治期の文学理論に対するE.V.ハルトマンの影響-森鴎外のハルトマン受容とその意義を中心に-

Research Project

Project/Area Number 10710211
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 国文学
Research InstitutionBukkyo University

Principal Investigator

坂井 健  佛教大学, 文学部, 助教授 (50235181)

Project Period (FY) 1998 – 1999
Project Status Completed (Fiscal Year 1999)
Budget Amount *help
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Keywords森鴎外 / 坪内逍遥 / ハルトマン / 没理想論争 / 具象理想 / 田山花袋 / 観念小説 / イデー / 無意識 / 禅
Research Abstract

鴎外がハルトマンを知ったのは、かつて、留学時代とされていたが、神田孝夫氏の研究により、少なくとも帰朝以後であることがあきらかにされたが、本格的にハルトマンを読みだしたのは帰朝以後であるにしても、鴎外がハルトマンの美学を知ったのは、それ以前であることが、旧鴎外所蔵本の書き入れ調査で確実となった。鴎外がハルトマンから学んだものは多岐にわたっているが、そのうちで我国の文壇に大きな影響を及ぼしたのは、具象理想美学とも言うべきものである。これは一口に言って、芸術作品を現れている「イデー」の段階によって、「類想」、「個想」、「小天地想」の三つの段階に分けて考えるもので、「類想」から「小天地想」に進むにしたがって、抽象的な美から、より具象的な美が現れているとするものである。これは逍遙との没理想論争がなされた当時にあっては、逍遙が「没理想」とする作品は「小天地想」が現れているのであって、決して、「理想」が存在しないわけではないという批判に応用されたものであるが、日清戦争後の文壇にあっては、当時流行の観念小説批判の合い言葉となった。すなわち、鏡花など、いわゆる観念小説を描いている作家の作品に現れているのは、抽象的な「類想」なのであって、これではいけない。これからは「具象理想」が現れた作品が求められるべきである、という批判である。田山花袋の自然主義文学論も、このような「具象理想」の論の影響によって成り立っており、鴎外の紹介したハルトマン美学の影響は、これまで考えられていたよりも、はるかに大きい。

Report

(2 results)
  • 1999 Annual Research Report
  • 1998 Annual Research Report
  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 坂井 健: "鴎外の具象理想美学とその影響-日清戦争後の文壇と花袋と-"『京都語文』. 4号. 136-150 (1999)

    • Related Report
      1999 Annual Research Report

URL: 

Published: 1998-04-01   Modified: 2016-04-21  

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