Project/Area Number |
10710250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
言語学・音声学
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中村 渉 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (90293117)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 使役構文 / 心理動詞 / 他動性 / 格階層 / 格融合 / 所有者上昇 / 最適性理論 / 能格性 / 形態格 |
Research Abstract |
今年度は、研究実施計画にあげた3つのトピック、(1)使役構文の格フレーム、(2)心理動詞構文の格フレーム、交替、(3)所有者上昇構文の格フレーム、(4)抽象的格と形態的格の対応関係の解明、に沿って研究を進めた。 まず、(1)については、非能格自動詞を埋めこんだ使役構文の格フレームに注目し、被使役者上の格交替(対格⇔与格)を他動性の高低に帰着させる分析を、「不完全指定」概念を援用して提案し、その提案を他言語の類似した使役構文や関連する他の構文の格交替に拡大した。その成果は、『言語研究』(日本言語学会)の116号に掲載予定である。また、 続いて、(2)については、東京外語大学(アジア・アフリカ言語文化研究所)の研究プロジェクト「統語類型論における他動性と能格性に関する諸問題」での研究成果に基づく論文を執筆し、来年中に、くろしお出版から刊行される研究書の1章として出版される予定である。 (3)については、昨年10月末に、米国テキサス州で開催されたアメリカ西部言語学会で論文を口頭発表し、所有者上昇構文と関連する被害受身構文を統一的に分析した論文が、学会論文集に掲載される予定である。なお、この論文を拡大・改訂した論文を海外の学術雑誌に投稿し、現在審査中である。 最後に、(3)については、一昨年の11月に関西言語学会(於奈良女子大学)で発表した口頭発表を改訂した論文を、昨年9月にドイツの学会で口頭発表し、学会の論文集に掲載予定である。学会での発表後、言語類型論に関する膨大なデータベースをもつコンスタンツ大学や他大学の研究者から有意義なフィードバックを受けた。
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