Project/Area Number |
10720023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 孝治 阪大, 法学部, 助教授 (00263187)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 保険法 / 欧州保険市場 / 保険監督法 / 保険約款 / 約款規制 / 保険契約者保護 / 金融サービス規制 |
Research Abstract |
欧州保険市場規制においては、保険約款の事前認可制は第三次保険指令により禁止されたが、国内の一般的利益保護のための規制がEC判例法理の規準により許容されている。保険者を拘束しない模範約款の作成も、域内市場における供そう制限行為を規制するEC条約85条の適用除外とする旨の欧州委員会規則が制定された。一般的利益概念は今なお十分に明確でなく、欧州委員会もその解釈につきガイドラインを作成中である等、流動的要素が残るが、ECの各加盟国は、これらEC法の枠内で保険商品に対する緩やかな規制を引き続き実施することができる。 これを受け、ドイツでは上述の意味での非拘束的な模範約款が監督庁の関与の下に作成・使用されている。保険約款の内容的合理性確保については、連邦保険監督庁が引き続き弊害につき包括的な事後的な行政的介入権限を有しているが、介入の保護法益及び違法性の規準は、司法的内容規制の根拠法となる保険契約法及び約款規制法に原則として一致するものと解されている。94年改正における生命保険、私的疾病保険分野の規定整備も、ドイツ保険法における契約内容の合理性保障を進めた。介入的規制がなお残る点でEC法との関係がなお不透明ではあるが、ドイツにおいては、今後も、保険契約者・被保険者保護に向けられた司法的、行政的規則により、契約内容の合理性保障が図られるであろう。 他方、保険市場においては業界の自主規制を尊重する謙抑的な国家気鋭を採用してきた英国においても、個人年金の不当販売を契機に金融サービス規制の制度改革が検討されている。しかし、そこでは金融サービス全般を通じた規則枠組及び顧客からの苦情処理制度の統一及び監督機関の包括的な規則制度定権限が主たる関心事であり、今次の制度改革が、保険契約の内容的合理性保障にいかなる影響を及ぼすかは予断を許さない。
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