Project/Area Number |
10720053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
坂本 隆幸 南山大学, 法学部, 講師 (10298557)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 政治経済 / 財政政策 / OECD諸国 / 先進国 / 福祉政策 / 政治制度 / 国際化 / 経済政策 / 比較政治経済 / 福祉国家 / グローバリゼーション / 意思決定論 / 政治行動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、財政赤字削減・福祉縮小・増税など、国民や社会経済集団の政治的反対に遭い、実施が難しい政策が、世界各国でどの程度の規模で実施され、政府がいかにして「経済逆境的」な政策への国民や政治家の支持を構築するかを、国際比較研究で明らかにすることだ。今年度は(99年度)は、研究の要となる世界各国の財政・国家経済業績などの時系列経済データと、政治システム・選挙制度と結果・政府の構成・労働産業関係などの政治社会データを集め、さらに既存研究の結果を収集・分析した。さらに、既存研究や本研究の初期調査の結果から仮説を作り、数量分析を行い、経済逆境的政策の本質の解明に努めた。 本研究が扱う研究課題は大きなトピックであり、データ分析は緒についたばかりだ。したがって、今後とも継続的に分析を順次進めていかなければならない。しかし分析の第1歩としての、政府財政赤字要因の分析は完了し、現在学術誌で審査中である("Effects of Government Characteristics on Fiscal Deficits in 18 OECD Countries")。同論文では、財政赤字のサイズがどのような経済的、政治的要因によって影響されるのかを時系列クロスセクション分析したもので、GDP成長率や失業率などの経済的要因が財政赤字にcountercyclicalな影響を与えることを実証した。さらに、これまで通常財政赤字を増やす要因として考えられてきた不安定な連立政権、小数政権、短命政権などの政治的要因が既存研究の結論とは逆に、財政赤字を減らす方向に作用していることが統計的に分かった。また、これら政治的要因が様々な経済ショックのもとでどのように作用するかも調べたが、結果は変わらなかった。既存の理論的・実証的研究の結果から逸脱したこの現象の原因や理論的説明はこれから明らかにされなければならない。今後も先進諸国の政治経済全体像の解明のために、数量的・定性的分析を進め、分析結果はその課題毎に論文にまとめられ、最後には1冊の著書にまとめる予定である。
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