Project/Area Number |
10730031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済政策(含経済事情)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
高瀬 浩一 福岡大学, 経済学部, 助教授 (50289518)
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Project Period (FY) |
1998 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 小国閉鎖経済 / 新古典派成長モデル / メタ生産関数 / フロー / ストック / ODA / 所得援助 / 資本援助 / 重複世代モデル / 生存必要量 / トラップ / 小国開放経済 / 経済成長率 / 受入国 |
Research Abstract |
1モデルによる予測 受入国を小国閉鎖経済として、1生産財の新古典派成長モデルを考える。生産活動はメタ生産関数(meta-production function)によって表され、資本と労働の2つの生産要素をもつとする。単純化として、生産要素に関して1次同次のコブ・ダグラス型生産関数を仮定すると、受入国の経済成長の要因は資本量と労働量の増加の2つに集約される。したがって、援助支出はそれら2つの経路で経済成長に寄与するものと考えられ、その使用方法別支出によって、資本か労働かのどちらに有効であるかが分類できる。ただし、労働に関しては、例えば、食料援助や緊急災害支援などは、送ったその年に全て消費されると考えられ、そのフローが労働量自体に直接影響すると予測されるが、一方、資本に関しては、生産設備の援助のように何年もかかって建設され、何年にもわたって使用されるような場合、そのフローばかりでなく、ストックが重要となる。 2データによる検定 各受入国の使用方法別ODA支出(1960年から1996年まで)を、資本に貢献する資本援助と労働に効果のある所得援助に再分類する。狭義の意味で、所得援助を食料援助とし、資本援助をそれ以外のODA支出とする分類方法と、広義の意味で、前者を贈与総額とし、後者をそれ以外とする分類方法の2つのケースを主に研究した。資本援助の割引現在価値をそのストック変数として使用した。回帰分析の結果は以下のように要約される。旧ソ連・東欧と新興工業国(NICS)及び産油国を除く約150の受入国のうち、所得援助が成長に良い影響を与えた国は殆どなく、資本援助は幾つかの国では有効であったと推測される。 3研究の展開 内生的成長モデルに基づき、より詳細な使用方法別支出と成長の関係を分析したり、小国開放経済での援助以外の公的資金や、民間の資金(直接投資などを含む)の成長に対する影響を考察したい。
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