Project/Area Number |
10730054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Business administration
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
弘中 史子 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (10293812)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | スキル / 中小企業 / 製造業 / 情報技術 / 技術 |
Research Abstract |
昨年度に続き中小製造業におけるスキルの伝承・向上について情報技術の活用をふまえながら理論的側面・実証的側面の双方から研究を進めた。理論的側面の研究は主として文献・電子メディアのサーベイ、資料収集によって行った。実証的側面ではまず昨年度に実施したアンケート調査の整理・分析を行った。この調査は金属・機械系の中小製造業に対して行い、調査内容は生産部門や開発・設計部門で必要なスキル習得における難易度、スキルの把握や伝承・向上のための手段等についてである。また企業等へのヒアリング調査も実施した。なおアンケート調査はヒアリング調査や文献のサーベイ等の成果と合わせて論文として纏め公刊している。 今年度行った研究から得られた知見全体について整理すると以下のようになる。第一に習得に時間のかかるスキル、つまり難易度の高いスキルは生産部門、設計・開発部門ともに多様な知識や経験を必要とするなど総合的な能力や判断力が必要とされるものが多い。近年、技術が複合化されて既存技術が異なる技術(例えば情報技術等)と結びつく現象が起こっており、ますますこの傾向が強まると思われる。第二に自社にとって不可欠なスキルを明確化して把握することの重要性を認識する必要がある。中小製造業においてはスキルの伝承や向上のための具体的手段はスキルを明確化して把握することと同時に実施することで、より技術の向上に貢献する。第三に自動化や情報化等の情報技術の導入は、入念な事前準備を行いマニュアル化や標準化等を推進することによりスキルの把握と伝承・向上につながる。第四にスキルの伝承・向上のためには企業が顧客との関係を密接にして充実させることも重要である。自社のスキルの競争優位や今後獲得すべきスキルが明確になるからである。 これら本研究で得られた成果については前述の論文以外にも、今後、別途論文等にする予定である。
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