Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
表題の極限定理を,飛躍を持つ対称マルコフ過程の族について導出するのが目的であるが,本年度も,飛躍を持つ対称マルコフ過程の標本路の一般的性質の導出を行った.昨年度は,確立過程としての漸近挙動を,一次元ユークリッド空間(数直線)上に値を取る,変数指数α(χ)をもつ対称安定型過程に対して,いくつかの標本路の性質について研究し,たとえば,次のような一点の概極性及び,この確率過程の再帰性の条件等の結果を得た:『数直線上の一点χ_0について,適当なχ_0の開近傍上で常に指数α(χ)が1以下であれば,点集合{χ_0}は概極集合となる.すなわち,ほとんど至る所の点から出発した確率過程が点χ_0に有限時間で到達するような確率は0となる.逆に,χ_0の適当な開近傍上でα(χ)が一様に1より大であれば,{χ_0}は非概極集合となる.すなわち,ほとんど至る所の出発点から出発した確率過程は,確率1で有限時間内にχ_0に到達する.』 本年度は,一般に上記の変数指数α(χ)を与えたとき,いかなる条件の下そのDirichlet形式に(飛躍を持つ)確率過程が存在するかの必要十分条件を求めた.さらに,そのときの対応する確率過程についての再帰性の,昨年より,より詳しい結果を得た:『|χ|→∞としたとき,α(χ)【approximately equal】1-(log|χ|)^<-ε>,1【less than or equal】εであれば対応する確率過程は再帰的である.すなわち,どんな空でない開集合にも無限回到達する確率が1である.』 これらの結果は,よく知られている指数が定数である,対称安定型過程の性質を含んでるのみならず,これまでは1より真に小さいようなところを含む場合についての再帰性は知られていなかったが,今回はα(χ)の|χ|→∞のときの挙動で1に近づきさえすれば1より真に小さい値をとっても再帰性がいえることがわかったという点でこれまでとは異なった,画期的な結果ではないかと思われる.
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