Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
バナッハ空間Xに値をもつベクトル値関数u(t)を未知関数とするヴォルテラ型の積分微分方程式の初期値問題 u'(t)=Au(t)+∫^t_0 B(t-s)u(S)ds,t【greater than or equal】0 u(0)=u_0 を数値解析的に解くための理論を考察した.方程式の主部に現れる作用素AはX上のクラス(C_0)の半群の無限小生成作用素とし,積分項に含まれる核作用素B(t)はAの定義域D(A)からXへの有界線形作用素である.B(t)が時間tに関して滑らかな場合のヴォルテラ方程式の適切性はすでによく知られていて,本研究においてもB(t)の滑らかさに関しては同じ仮定をおく.上記のヴォルテラ型方程式に対する時間差分近似を考えるために,空間Xを近似するバナッハ空間X_nの列を用意し,X_nにおける有界線形作用素の族{F_<n,k>:n,k=0,1,2,・・・}を次のように帰納的に定義する: F_<n,k+1>=T_nF_<n,k>+Σ^^k__<i=0>h^2_nB_n((k-i)h_n)F_<n,i>,F_<n,0>=I_n,n,k=0,1,2... ただしT_nはバナッハ空間X_nにおける有界線形作用素で,(T_n-I_n)/h_nが作用素Aに対する有限差分近似で{h_n}は0に収束する正数列である.作用素T_nとAに関してはTrotter・加藤の(C_0)半群の近似定理と同じ条件を仮定し,X_nにおける有界線形作用素B_n(t)はB(t)を近似する作用素で,B_n(t)の滑らかさおよび近似の仕方は,元の方程式の適切性にみあう自然な条件を設定する.x∈Xを任意にとり,xに収束する任意の点列x_n∈X_nに対して,F_<n,[t/h_n]>x_nが,ヴォルテラ方程式の解を与える有界作用素の族{R(t):t【greater than or equal】0}に強収束することを証明し,さらにオイラー型後退差分近似の問題に応用可能な結果を得た.
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