複素領域における線型・非線型フックス型偏微分方程式
Project/Area Number |
10740074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic analysis
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
山根 英司 千葉工業大学, 工学部, 講師 (80286145)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | フックス型偏微分方程式 / 分岐コーシー問題 / 整関数 / 積分表示 / 解析接続 / フックス型 |
Research Abstract |
1.ウェイトが1の2階Fuchs型偏微分作用素で,2つの特性曲面が接するものa(x,D)を考える.正則関数のカテゴリーではa(x,D)に関するCauchy問題が一意可解である.非斉次Cauchy問題において,方程式の右辺が特性曲面の周りに無限多価の場合を考察する.この種の問題は分岐Cauchy問題(ramified Cauchy problem)と呼ばれ,複素領域の偏微分方程式論における中心的な問題である.解は特性曲面の回りにいくらでも解析接続できることが分かる.解を構成するために,フーリエ積分作用素の理論に倣い,多重相関数を用いて解の積分・級数表示を与える.積分の第m項がm次元特異単体の上のm-形式の積分になっている.作用素の形から,被積分関数は有理型,したがって非有界になるのが難しいところである.トポロジーの技法で単体を曲げることによって解を解析接続する. 2.整関数に対するFuchs型Cauchy問題を解こう.整関数を係数にもつm階線形編微分作用素Pを考える.PはFuchs型であり,Fuchsian principal partは定数係数とする.また,最高階の部分の係数は適当な次数の多項式とする.Fuchsian prinipal partに属さない低階の部分の係数は整関数であればよく,増大度の条件は不要である.確定特異点型常微分方程式の理論に倣って特性指数を定義し,しかるべき条件を課す.このとき,初期データと方程式の右辺が整関数であるようなCauchy問題を考えるとその解がやはり整関数となることが分かる.証明はBaouendi-Goulaouicにしたがって逐次近似法を用いる.低階項の影響がないことを示すのにあるトリックを用いたが,これは他の多くの問題に応用できることが見込まれる.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)