過剰決定系楕円型方程式の解の存在と領域の対称性に関する研究
Project/Area Number |
10740080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Global analysis
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長澤 壯之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70202223)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 過剰決定系 / 楕円型方程式 / レーリー予想 / 対称性 / 曲率 |
Research Abstract |
19世紀にレーリーは、ノイマン境界条件下でのラプラシアンの固有関数で境界値が一定なものを許容する有界な単連結平面領域は、円板に限るであろうと予測した。これは、後に、「レーリー予想」と呼ばれ、過剰決定系楕円型方程式の解の存在と領域の対称性の問題の出発点となった。しかし、レーリー予測は、未だ解決されていない。 本研究では、レーリー予想を含む過剰決定系楕円型方程式の解の存在と領域の対称性の問題を、新しい方法で取り組んだ。すなわち、領域の境界を多様体と見なし、領域の対称性を、多様体の曲率の対称性の問題として考えた。 昨年度は、解の高階の法線微分係数を曲線とその導関数を用いて表現する公式を導き出した。これには、領域の位相的条件(単連結性・可能性 等)や幾何学的条件(凸性・星形性 等)を一切必要としない。また、この公式と与えられた楕円型方程式の過剰決定性から、領域が対称性を持つ為の必要十分条件を見いだした。この結果は、日本数学会の1999年会において報告した。 今年度は、昨年度中に得られた公式の証明を改良し、公式自体も見やすくした。その結果、領域の境界の平均曲率が定数になる為の必要十分条件を見出すことができた。また、解の法線微分係数がある程度の階数まで定数であれば、すべての階数の法線微分係数が定数になってしまうという、一種の飽和現象を発見した。何階までの法線微分係数が定数であれば飽和現象を起すかは、初めに与えられる過剰決定条件に依存する。これらの結果は、京都大学数理解析研究所における研究集会「変分問題とその周辺」で講演し、その内容は、同研究所の講究録で見る事ができる。詳細な証明を付けた論文は現在投稿中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)