Project/Area Number |
10740092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Global analysis
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 尚人 福岡大学, 理学部, 助教授 (00247222)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 境界層方程式 / Navier-Stokes方程式 / Euler方程式 / 方程式の接合 / 圧縮性流体 |
Research Abstract |
境界層方程式は物体のごく近くの流体の運動を記述するモデル方程式として、1904年にL.Prandtleによって提唱された。彼のアイデアは、流体が粘性の影響を受けるのは物体(固定境界)のごく近くの薄い層(境界層)に限るとして、液体の粘性係数、代表的な速度、物体の長さの間に経験的に成り立つつりあいの式からNavier-Stokes方程式をスケーリングした時の主要部分より境界層における、いわゆる境界層方程式を導くというものである。 境界層方程式の数学的な解析は1960年代のK.Nickel,O.A.Oleinik,P.C.Fifeらの精力的な研究により液体が非圧縮性で定常状態にあると仮定できる場合の解の一意存在、漸近挙動といった基本的な結果がえられており、以後活発な研究が続けられ、非圧縮性定常流に関してはある程度満足できる結果がえられている。これらに関してはO.A.Oleinik/V.A.Samockhinによる最近の著書Mathematical problems of boundary layer theory(境界層理論における数学的問題)に詳しい。 今回申請者が問題にしている境界層方程式の数学的正当化、すなわち境界層方程式が数学的にどのような意味でNavier-Stokes方程式を近似しているのか、という問題に関してはやはりP.C.Fifeによる非圧縮性定常流の場合に部分的な結果があるのみでほとんど手つかずの状態である。申請者は非定常流の場合に上述のスケーリングを施したNavier-Stokes方程式の線形化した方程式に対して小さいパラメータに関する一様な評価をえることができたが、本来のNavier-Stokes方程式に対してはまだ一様な評価をえるには至っておらず、ひき続き研究する予定である。
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