Project/Area Number |
10740107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石塚 成人 筑波大学, 物理学系(計算物理研究センター), 助手 (70251030)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | クォークの質量 / パイメソンの崩壊定数 / 格子場の理論 / πメソンの崩壊定数 |
Research Abstract |
交付申請書にある様に、この研究では連続理論の演算子間の繰り込み補正の問題の解決を目的とした。今年度はスタッガード・フェルミオンに於ける双対演算子の繰り込み補正値を求め、信頼性の高いクォークの質量及び、パイメソン崩壊定数を求めた。 計算は以下の手順を踏んで行なわれた。はじめに比較的体積の小さい格子上で計算し、それを体積の大きい場合と比較し、有限体積効果を調べた。それにより、最終的に行なわれた計算には、0.1%以下の有限体積効果しかないことが分かった。次にカイラル対称性による演算子間の恒等式を、計算結果が厳密に満たしているかどうか調べた。この計算では0.01%以下の破れしか無く、問題無い事を見た。更に計算方法を工夫して、1%の統計誤差におさえた。 最終結果は以下である。クォークの質量に関して、新たな進展があった。摂動論を用いた繰り込み補正で求めた量よりも約20%大きい値が得られた。これにより、この量に関して、摂動論の適用は問題があり、今回の計算で求めた非摂動的に求められた値を使うべきであることが結論された。パイメソン崩壊定数に関しては、格子上の演算子全てが5%以内で連続極限において同じ崩壊定数を与え、更に統計誤差内で実験値を再現した。これにより、格子上での計算は無矛盾であることが分った。これは摂動論を用いた繰り込み補正では無かったことである。 計算結果の解析とグラフ化は全て今回購入したパーソナル・コンピュータを用いた。これらの結果は国際会議Lattice'99で発表された。また、クォークの質量に関しては既に論文掲載され、更にパイメソン崩壊定数に関しては、現在研究成果を投稿雑誌に投稿中である。 研究発表: 1999年7月1日、国際会議Lattice'98(ピサ、イタリア)(石塚)
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