Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
正方ー三角格子上のHamiltonian閉路 グラフのHamiltonian閉路とは,辺をたどる閉じた経路で,すべての頂点をちょうど一度ずつ訪れるようなものである.グラフGの持つHamiltonian閉路の個数は興味深い量である.それは,G上の高分子のcompact相のエントロピーと対応している. 私は,正方ー三角格子(2次元正方格子に規則的に辺を加えた,正方格子と三角格子を補間する一群の格子)のHamiltonian閉路の個数を,私の提案した場の理論を用いた解析的方法,および,転送行列を用いた数値的方法により評価した.その結果,場の理論の方法が,個数の格子依存性の重要な部分を取り出していることを発見した. Hamiltonian閉路は,これはO(n) Fully Packed Loop模型のn→0極限に寄与する配位と一致するので,私の結果は,O(n=0) Fully Packed Loop模型に関する情報にもなっている.O(n) Fully Packed Loop模型が,O(n) Densely Packed Loop模型と異なる連続極限を持つのはどのような格子の場合か,という問題が議論されてきたが,実際,私は,正方ー三角格子の枠内で,異なる連続極限を持つための必要十分条件を明らかにした. 3次元のO(n) Loop模型の拡張 私は,2次元のO(n) Loop模型の,3次元への拡張を提案し,その性質を数値的に調べた.従来提唱されていた3次元のO(n) Loop模型は,定義が非局所的であるために,可解でなく,数値的取り扱いも実質的に不可能だった.私の提案した模型は,非局所的でありながら,効果的な数値計算アルゴリズムを持つ.また3次元self-avoiding walkと関係するなどの,良い性質は保っている.
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