Project/Area Number |
10740114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
在田 謙一郎 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (00283474)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 周期軌道分岐 / 殻構造 / 超変形 |
Research Abstract |
有限量子系の示す系統的性質は半古典理論を通して対応する古典系の性質と密接な関係を有している。この研究では量子スペクトルと古典周期軌道を結びつけるトレース公式を用いて、原子核、マイクロクラスターの形やその安定性を解析した。これらの系の平均一体場はWoods-Saxonポテンシャルでよく近似されるが、これは中心付近ではほぼフラットで表面付近でなめらかにゼロに近付く様な動径依存性を有しており、量子古典対応を議論する際に有効なスケール則が存在しない。このため、Woods-Saxonに対する近似として、r^α型の変形ポテンシャルを用いて量子古典対応の解析を行った。まず球対称の場合のスペクトルのdiffusenessに対する依存性を解析した。αの値をα=2(調和振動子)から徐々に大きくしていくとポテンシャル表面がシャープになり、α=2での強い準位の縮退は徐々に解けていく。しかし、特定のαにおいて再びかなり強い殻構造(準位の近似的縮退)が起こることが分かり、周期軌道理論による解析の結果、この新しい殻構造が円形軌道の多角形軌道への分岐に関係していることが明らかになった。また、変形による超変形殻構造の形成に関しては、αを大きくしていくと超変形殻構造が形成される変形度がα=2での変形度2:1にくらべて小さくなってくる。これは、α>2での超変形殻構造に関係する赤道面内の円軌道の3次元軌道への分岐変形度のα依存性から説明できることが明らかになった。このことは、重い核ほど超変形変形度が小さいことに対する一つの理論的根拠の候補であると考えられる。また、Magner氏らと共同で位相空間トレース公式の形成を発展させ、分岐領域においても量子論の結果を定量的に再現できる拡張されたトレース公式を導いた。これを楕円ビリヤード系に適用し、半古典理論が量子論の結果を非常によく再現することを示した。特に周期軌道分岐の重要性が明確に示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)