Project/Area Number |
10740120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 龍好 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20273708)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ウェーク場 / バンチ圧縮 / 高輝度電子ビーム / 電子ライナック / 単バンチ / 加速管 / コヒーレント放射 / 単パンチ |
Research Abstract |
大阪大学産業科学研究所のLバンド電子ライナックは、最大電荷量73ナノクーロン電子バンチを加速できる。このような高輝度電子ビームを加速する場合、電子バンチが加速管内に誘起するウェーク場の影響を無視することはできない。次世代加速器の研究では、このウェーク場を加速管内で減衰させたり、加速管外に取り出して捨てたりすることが考えられている。本研究では、このウェーク場を積極的に利用して、RF加速電場とウェーク場を重ね合わせたときに、時間的に線形に変化する電場を作り出すことを目的としている。このような電場は、1本の加速管で電子バンチの加速とエネルギー変調を行い、磁気パルス圧縮を用いて短バンチ化を実現する場合や、エネルギー分散の極端に狭い電子バンチを作り出す場合に利用できる。この研究は、必要とされるウェーク場を誘起する電子バンチの密度分布を評価するプログラムの開発とそのプロクラムを用いたバンチ形状の導出、そして実際に阪大産研のライナックを用いたバンチ圧縮実験により構成される。 本年度行われた実験では、電子ライナックの加速管出口にOTRモニターを設置し、ストリークカメラでバンチ形状を観測・調整しながら、90度アクロマテック偏向系でバンチ圧縮を行った。圧縮後のバンチ長は空気チェレンコフ光により観測した。比較のために直線部後端でもチェレンコフ光によるバンチ長の測定をおこなった。このとき、バンチ形状を計算で導出した形に近づけた場合には、バンチ長は38.4±3.5psから9.7±0.7psへと圧縮された。バンチの全電荷は30nCから20nCへと減少したが、ピーク電流は0.78Aから2kAへと大きく増加した。他方、エルネギースペクトルを狭くする通常のビーム調整を施した電子ビームでは圧縮後のバンチ長が11.6±1.3psで、ピーク電流は、1.7kAてあった。バンチ形状を、ウェーク場を考慮して計算された形に近づけることにより、およそ2割のピーク電流の増加が達成できた。
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