Project/Area Number |
10740126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
汲田 哲郎 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30271159)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ペニング・トラップ / レーザー冷却 / 陽電子ビーム / ポジトロニウム |
Research Abstract |
本実験は、ポジトロニウムのレーザー冷却を実現するために、直流陽電子ビームを蓄積し、パルス化する装置を開発することを目的としている。 ペニング・トラップと呼ばれる磁場と電気ポテンシャルを用いた蓄積法を利用し、陽電子を閉じ込めるが、入射した陽電子が再び逃げ出さないようにトラップ内部で陽電子の運動エネルギーを失わせる必要がある。この実験ではトラップの磁場と垂直方向に磁場をかけ、陽電子の運動量ベクトルの方向を変え、実効的な運動エネルギーを失わせることによって、これを実現している。 トラップ内部に蓄積された陽電子は出口側の電気ポテンシャルをパルスの印加によって短時間引き下げることにより、パルス・ビームとして取り出してやることができる。実験では立ち下がり時間500ピコ秒の高速パルス発生装置を用いる。 電子銃からの電子ビームを用いた予備的実験では、パルス幅100ナノ秒の電子ビームを蓄積装置を働かせない時に比べて270倍の強度で取り出すことに成功した。 陽電子ビームを用いた実験では、蓄積効果とパルス強度増大が確認されたが、電子ビームほどの大幅な増大は得られていない。これは、陽電子ビームが10mm程度のビーム・サイズを持つ事、エネルギーが10eV程度広がっている事による。高強度のパルス陽電子ビームを取り出すためには、小ビーム径で単色性の良い、高品質な陽電子ビームを作ることが必要条件となる。 以上の実験結果は、日本物理学会での講演の他、Applied Surface Science誌に掲載された論文に掲載されている。
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