高圧下(3Gpa)での核磁気共鳴法の開発と低次元銅酸化物への適用
Project/Area Number |
10740161
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 直樹 東京大学, 物性研究所, 助手 (60272530)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 高圧測定 / 核磁気共鳴 / 銅酸化物 |
Research Abstract |
本研究の目的は定荷重による高圧下核磁気共鳴法の開発と適用である。本年度は、前年度の仕事の継続と発展の段階にきている。装置的には、高圧下で核磁気共鳴法は完成の域に到達しており、2Gpaまでは比較的容易に高圧を発生できる。(装置はマグネットを含んでいないので、正確には核四重極共鳴装置である。)装置の外観簡単な説明は、すでに論文として公表している。(JLTP vol 117485(1999))現在は、マグネットを含む定荷重高圧下での共鳴装置を設計開発している。 装置の応用として、酸化物高温超伝導体La_<1.85>Sr_<0.15>CuO_4のCuO面内にLiを置換した系で実験を行った。この系はLiを添加していくと、金属状態から絶縁体にかわる、ある意味で金属絶縁体転移を示す系である。実際にそれぞれの状態に対応する二種類の銅のサイトが観測されている。一つはLi無置換のときつまり金属状態とほぼ同じ核四重極共鳴周波数で信号が現れ、もう一つはより高い周波数位置に現れる信号で、銅電子が非磁性状態を形成していると考えられている。Liが25%添加されると後者の信号だけになる。この二つの信号の強度比はLi20%置換で大きく変わる。このような微妙な位置にある物質ではわずかの圧力で状態が大きく変わることが期待される。しかし、実験結果は圧力によってLi20%の試料では圧力変化がでたものの、Li25%試料では殆ど変化がなかった。つまり、単純な体積効果で実験結果は説明されない。このことから、銅サイト間隔というより、Li近傍の銅と酸素軌道の混成による局所的一重項形成とその規則的配列が、Li20%と25%の僅かの量による大きな定性的変化出現に重要であることがわかった。尚現在は他の銅酸化物での圧力効果を調べるために、スピンラダーSrCu_2O_3で基礎データーを準備している。その一部はPhys.Rev.B61 01May2000に公表予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)