Project/Area Number |
10740162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 健次 東京大学, 物性研究所, 助手 (10272535)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | La_2NiO_4 / La_2CoO_4 / La_2MnO_4 / 中性子散乱 / ホールドープ / 磁性 / 電荷秩序 / 相分離 / 低次元磁性 / LaSrMnO_4 / スピンダイナミクス / スピン波 |
Research Abstract |
中性子散乱を中心とした本研究を通じ、過剰酸素ドープ系のLa_2NiO_<4+δ>のスピン波励起については、δ【less than or equal】0.11のコメンシュレート相全般で低エネルギー側にホールドープに伴う新たなモードが現れること、それは、ホールドープとともに強度を減じソフト化することなどが分かった。この発見に刺激され理論的な考察も行われ、Korenblitは、Ni^<2+>と新たに生じたNi^<3+>の間の強磁性的な相互作用がスピン波のモードを変調させるのではないかというアイデアを提案している。同様の変調は、現在話題となっているストライプ相においても起こりうる。そのため、ストライプ相のLa_2NiO_<4.125>、(La,Sr)_2NiO_4の実験も試みたが、この領域で中性子錯乱の強度が極端に減ずることもあり、現在のところ、まだはっきりした成果がでておらず、今後の課題である。La_2CoO_<4+δ>については、過剰酸素ドープに伴い、La_2CoO_<4.00>の相に加え、新たな相が次々と誘起され、相分離を起こすことが確かめられた。これまでのところ、La_2CoO_<4.00>の相の他、斜方晶で磁気構造はLa_2NiO_4型の相、結晶系は不明であるがLa_2CuO_4型の磁気構造をとる相が見いだされた。さらに、δ〜0.24で電荷秩序に伴うと思われる磁気構造の変調を見いだした。このLa_2CoO_<4.24>では、Co^<2+>とホールの局在したCo^<3+>が格子状に配列しているものと思われる。このLa_2CoO_<4+δ>の研究結果から、少なくともLa_2MO_4系において、過剰酸素ドープ系の相分離と、ホールドープに伴う電荷秩序がかなり一般的な現象であることが明らかにされたといえる。研究計画に入っていた(La,Sr)_2MnO_4については、残念ながら中性子散乱用の大型単結晶を作成する準備で終わった。この研究についても今後の課題である。
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