Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究科の目的は、非フェルミ液体系物質CeCu_<6-x>Au_xおよびCe_xLa_<1-x>Cu_<2.2>Si_2の核磁気共鳴を行うことにより,これらの系のf電子の動的スピン帯磁率の性質を明らかにすることにある。本研究の目指すのは、動的スピン帯磁率のq依存性を調べることによって,非フェルミ液体的挙動の起源が,q依存性のないシングルサイトの効果にあるのか,q依存性のあるインターサイトの効果にあるのか明確にすることにある。 (1) 量子臨界点に位置するCeCu_<5.9>Au_<0.1>の核四重極共鳴(NQR)を行い、核磁気緩和率T_1を60mKの極低温まで測定した。T_1の温度依存性は,反強磁性スピン揺らぎを考慮したSCR理論で定性的に説明できることから,この系の非フェルミ液体的性質は,スピン揺らぎというインターサイトの効果に依っている可能性が高いことがわかった。現在,単結晶CeCu_<6-x>Au_x(x=0.0,0.1)のCu-NMR/NQRを行い,Cu核のサイト同定および超微細相互作用係数の決定を急いでおり,より定量的に理論との比較を行う予定である。 また,1GPaまでの高圧NQR測定の結果から,圧力による近藤温度T_Kの顕著な上昇と低温でのT_1の値の減少が観測された。今後,圧力下での非フェルミ液体〜フェルミ液体状態へのクロスオーバー領域におけるf電子スピンダイナミクスの特徴を重点的に明らかにしていきたい。 (2) Ce_xLa_<1-x>Cu_<2.2>Si_2(x=0.07,0.10)の多結晶,単結晶試料を合成し,Cu核のNQRおよびNMRを行った。T_1の大きさ及び温度依存性の結果から,T_1は反強磁性スピン揺らぎにより増強されており,希薄近藤系におけるシングルチャネルの近藤効果では全く説明できないことがわかった。
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