Project/Area Number |
10740181
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
米満 賢治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60270823)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 擬1次元有機導体 / 次元クロスオーバー / 二量化 / スピン密度波 / 複核金属錯体 / MMX鎖 / 混合原子価状態 / 密度行列繰り込み群 / 反強磁性 / 超伝導 / π-d電子系 / フント結合 / モット絶縁体 |
Research Abstract |
擬1次元有機導体の次元クロスオーバーの問題は、摂動論的方法で詳細を再現することに限界がある。そこで、数値的な方法の中で最も信頼性が高い密度行列繰り込み群を使って、有限系に対して一体及び二体の相関関数が横方向のトランスファー積分や二量化とともにどう変化するかを計算した。電荷ギャップの振舞は実験で観測されているのと同様なものが得られた。横方向のホッピング相関は二量化による電荷ギャップがトランスファー積分と同程度以上になると急激に抑制されることがわかった。それと同時にスピン相関の横方向コヒーレンスも弱くなる。スピン密度波から反強磁性体への変化に対応すると考えられる。一方、電荷相関はこれらの変化に鈍感で、むしろ次近接相互作用により敏感に変化する。即ち、次近接斥力により4K_Fの成分が成長する。 擬1次元ハロゲン架橋複核金属錯体には、金属イオン、ハロゲンイオン、配位子、対イオン、溶媒に依存して、多様な混合原子価状態が現れる。配位子としてdtaを使った中性の白金ヨウ素系は室温以上で金属相、低温で交互電荷分極相が観測されている。一方、配位子としてPOPを使った系は、白金塩素系や白金臭素系で電荷密度波相が観測され、白金ヨウ素系で対イオンに依存して、さらに平均原子価相、電荷分極相の存在が示唆された。何がこれらの相の発現させるか調べる為、1次元強相関電子格子系のモデルに強結合展開、厳密対角化、密度行列繰り込み群などを使って電子状態のパラメタ依存性を計算した。配位子がdtaの系は中性で対イオンがなく、複核間の距離が不均一になりやすい為、非対角電子格子相互作用により容易に交互電荷分極相が現れる。ハロゲンがヨウ素の系はP軌道がd軌道に近いので複核間の電子移動が容易である。配位子とハロゲンイオンが同じ場合は対イオンにより複核間の距離が異なり、対角電子格子相互作用の強さが変わることが要因である。
|