Project/Area Number |
10740196
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中原 明生 日本大学, 理工学部, 助手 (60297778)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥100,000 (Direct Cost: ¥100,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 粉粒体 / 1 / fゆらぎ / パワースペクトル / パイプ流 |
Research Abstract |
垂直に立てたパイプ中に粉粒体を流すと、状況に応じて粉粒体は一様には流れず高速道路の渋滞で見られるような密度波を生じる。我々はパイプ中の密度波とそれに伴って生じる1/fゆらぎのメカニズムを調べるために、パイプ中の粉粒体の占有率(packing fraction)をパラメーターとして変化させた実験をおこない、粉粒体の流れの時間・空間構造がどう変化するかを調べた。具体的には、高速度ビデオカメラを用いてパイプ中の粉粒体の流れを画像として取り込み、コンピューターで画像解析した。取り込んだ空間構造をフーリエ解析して散乱関数S(k)を求めたところ、粉粒体のpacking fractionが低い時は粉粒体の流れがほぼ自由流となっており散乱関数の低波数成分がほぼフラットになっているが、packing fractionが大きくなると散乱関数は特徴的な波数にピークをもち(この波数が渋滞の空間構造に対応)流れは渋滞流へと転移することが分かった。次に、時間構造をフーリエ解析すると、自由流においてはパワースペクトルP(f)は空間構造と同様低周波数成分がフラットとなりランダムノイズに近いが、渋滞流では低周波成分に強い構造をもち渋滞に特有な長時間相関が生じていた。また、自由流から混雑流へと変化する中間密度領域においてパワースペクトルP(f)が1/fゆらぎに従うことがわかった。ところが、先ほどおこなった空間構造の解析によると、1/fゆらぎの発生時の散乱関数S(k)はべき的ではなく空間構造は臨界的(フラクタル的)にはなっておらず、渋滞・非渋滞相転移の臨界性から来ているのではないことも分かった。最後に、時空構造を解析するために、鉛直下方向のパイプ中の流れを1次元に縮約し、時間発展を横方向に並べた時空構造図を作成し、2次元的なフーリエ解析をおこなった結果、マクロなクラスターの伝播速度のゆらぎは自由流から渋滞流への転移の際に増大することがわかった。
|