中規模地震(M5〜M7)の解析による震源動力学と断層構成関係の推定
Project/Area Number |
10740216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体地球物理学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井出 哲 東京大学, 地震研究所, 助手 (90292713)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 中規模地震 / 動力学的震源モデル / 断層構成関係 / 1997年山口県北部の地震 / 1998年飛騨上高地群発地震 / 震源動力学 / 1998年上高地群発地震 / 経験的グリーン関数 |
Research Abstract |
本年度は昨年度まとめた1997年山口県北部の地震の動力学的破壊過程についての再検討と1998年の飛騨上高地群発地震における比較的大きな地震の震源過程解明を中心に研究を行った。 山口県北部の地震について、基本的な解析結果および高周波数帯域と低周波数帯域での震源の振る舞いの見かけ上の違いなどについてまとめ、Geophysical Research Letters誌に投稿、6月に掲載された。この地震については周波数帯によって見かけ上の構成関係の違いが認められたので、それぞれの構成関係を用いて差分法を用いた数値計算によって亀裂上の断層破壊の進展をシミュレートし、低周波側の構成関係では破壊の自発的な進展が説明できないことを明らかにした。 1998年上高地群発地震中の中規模地震について詳細な断層破壊過程を解明し、過去の兵庫県南部地震や山口県北部の地震の研究と合わせ断層破壊のスケール依存性を調べた。過去指摘されている平均的な破壊特性のスケール依存性と調和的な関係が多数得られた中で、破壊伝播速度と応力降下量の間には負の相関があるというこれまでにない関係が示された。これは過去地震破壊をモデル化するために良く用いられてきた平面状の亀裂の理論では説明するのが困難な現象であり、興味深い。また上高地のような群発地震特有の現象であるかどうか一般性については今後更なる研究が必要とされる。この研究については7月のIUGG総会(イギリス)、11月の地震学会等で結果を公表しており、現在学術誌投稿原稿を準備しているところである。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)