Project/Area Number |
10740248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐伯 和人 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (50292363)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 音響光学素子フィルター / AOTF / 月探査 / 溶岩 / 分光 / スペクトル / 画像分光 |
Research Abstract |
本研究は、音響光学素子フィルター(AOTF)という、透過する光の波長を注入する高周波によって任意に設定できるフィルターを用いて、野外調査用の画像分光装置を開発するとともに、月・惑星探査のための運用方法を研究する事を目的としている。AOTFと、レンズ系、および冷却CCDカメラを組み合わせる事によって、画像分光装置をつくった。当初より予想されていた画像のシフトや歪み等は、ソフトウェアで取り去る事が可能となり、予定の技術開発は成功した。しかし、透過周波数を変化させると、光学系の焦点位置も大きく変化する事がわかった。周波数にあわせて焦点位置を自動で変更する事ができなければ、高速に周波数を切り替えて撮像できない。自動焦点調整装置はさらなる予算が必要となるので、高速撮像については今後の課題とした。野外における運用実験として、口径80mm天体望遠鏡こよる月面分光撮像と、伊豆大島の溶岩流の分光撮像を行った。月面分光撮像では、米国の月探査衛星の画像処理で実績のある演算方法を用いて処理する事で、月の表側の鉄とチタンの含有量を推定する地図をつくる事に成功した。この際、様々な補正や較正を簡単に行う事ができるソフトウェアツール群を開発し、アマチュア天文家にも月地質学ができるというシステムを構築した。この件に関する論文がまもなく日本惑星科学会誌に掲載される。今後も、天文の新しい観測分野として研究者や一般への普及活動を続ける。伊豆大島の溶岩露頭の分光撮像では様々な問題が明らかになった。まず、太陽の位置や地面の角度による輝度変化を吸収する換算が大変困難である事がわかった。また、同じ化学組成を持つ岩でも、表面の粗さによって分光スペクトルが大きく変化する事もわかった。月面の粉体土壌ではうまくいく組成分析が、岩肌では格段に困難になる要因を考察し、自動観測車における月面探査計画のための基礎研究項目が明らかとなった。
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