Project/Area Number |
10740266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Ochanomizu University (1999) The University of Tokyo (1998) |
Principal Investigator |
武次 徹也 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (90280932)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 多次元トンネル / 反応経路 / 最小作用原理 / 半古典論 / ポテンシャルエネルギー論 / シェパード内挿法 / 古典トランジェクトリー / 多原子分子反応 / 曲率座標 / 反応平面 / 最小エネルギー経路 |
Research Abstract |
本課題では多原子分子反応にも適用可能な半古典トンネルモデルの定式化を目的として研究を行った。初年度は、Truhlarらが2次元共線形に対して定式化した「最小作用原理に基づくトンネル経路モデル」の多次元系への一般化を試みた。彼らのモデルでは、経路に沿った虚の作用積分を最小にするために最小エネルギー経路(MEP)と最短移動経路(LMP)の重み付き平均として一群の経路を定義し、その重みを変分パラメーターとして作用積分の最小値を与える経路をトンネル経路とする。我々は、反応経路の接線・曲率ベクトルで決まる2次元の座標空間を局所的反応平面と定義してMEPに沿った変化を調べ、経路が大きく曲がる領域で反応平面は安定であること、MEP全体を反応平面のねじれに基づきいくつかの領域に分割できることを見い出した。この幾何学的性質を利用し、まず反応経路をねじれに基づいて安定な反応平面を持ついくつかの断片に分割し、各領域で局所的なLMPとMEPとを加重平均して一群の経路を発生させ、経路群の中で最小作用を与える経路をその領域におけるトンネル経路とし、各領域の局所トンネル経路を合成して全トンネル経路とする方法を提案した。この方法をheavy-light-heavy系であるNH_3+OH→NH_2+H_2Oに適用し、MEPより大きなトンネル確率を与える最適なトンネル経路を決定することが出来た。また、本トンネルモデルを3本の反応経路を持つHSiOHのcis-trans異性化反応に応用した。まず修正Shepard-内挿法を用いて全自由度を考慮したab initioポテンシャル曲面を生成し、10000通りの初期条件に対してトラジェクトリー計算を行った。Makriのモデルに基づきトンネル振幅を計算し、トンネル効果によるエネルギーレベルシフトを見積ったところ、これまでの理論計算では再現できなかった実験結果を再現することができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)