Project/Area Number |
10740272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
笠原 俊二 神戸大学, 理学部, 助手 (00260646)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 高分解能レーザー分光 / ドップラーフリー / 励起状態 / イオン検出 / 状態間相互作用 / 前期解離 / アルカリ金属二原子分子 / ヒートパイプセル |
Research Abstract |
1.これまでに確立した光検出によるドップラーフリー光・光二重共鳴偏光分光法を用いて、アルカリ金属二原子分子であるKRb分子の励起状態の観測を行うとともに、上記分光法を紫外光領域に拡張してLi_2、NaLi、Na_2分子の高分解能分光をも行った結果、以下のことが明らかとなった。 (1)KRb分子において観測された2つの^1II状態間における状態間相互作用の存在を見出すとともに、その相互作用における両状態の波動関数の符号によってスペクトル線の強度異常が生じる(干渉効果)ことを発見した。また、KRb分子の(1)^1II状態の高振動準位においてスペクトル線幅の広がりを見出し、線幅の広がりが前期解離によるものと帰属した。さらに、前期解離の生じている領域において2つの^1II状態間における状態間相互作用が生じる場合に、前期解離の大きさにも干渉効果が生じていることを見出した。 (2)Li_2、NaLi、Na_2分子の紫外領域の高分解能分光を行い、励起状態の構造を決定するとともに、スペクトル線のシフトや線幅の変化から状態間相互作用や前期解離を見出し、その機構を明らかにした。特に、Li_2分子に関しては、2極小ポテンシャルを持つ励起状態における相互作用について詳細な知見を得ることができた。 2.前年度に作成したイオン検出を目的としたステンレス製ヒートパイブセルを改良し、アルカリ金属二原子分子のスペクトルを光検出による測定を試みた。信号を得ることができるようになったが、前期解離などの現象を観測するにはさらなる信号ノイズ比の向上が必要である。
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