吸着分子の秩序構成形成に働く吸着種間相互作用の解明
Project/Area Number |
10740281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
加藤 浩之 理化学研究所, 表面化学研究室, 基礎科学特別研究員 (80300862)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 固体表面 / 吸着分子 / 分子間相互作用 / 高感度低速電子線回析装置 / 高分解電子エネルギー損失分光 / 振動分散 / 引力的相互作用 / 2次元超構造 / 高感度低速電子線回折装置 / 立体障害的反発作用 |
Research Abstract |
本研究は、吸着分子間に働く相互作用に関して、既存の高分解電子エネルギー損失分光による振動分光測定と、低速電子線回折による超構造観測の両面から定量的な理解を目的とするものである。特に、低被覆表面に見られる引力的な相互作用を調べるには、微弱な入射電子線でも測定が可能な(測定試料に影響の少ない)高感度の低速電子線回折装置が有力な実験手段となると考え、試作を進めた。残念ながら、現在までに装置を完成させることは出来なかったが、主要部品を揃えることは出来たので、引き続き制作を続け装置を完成させる予定である。本装置の設計および検討を行えたことは、少なからず良い知識と経験を得ることが出来たと感じている。 一方、一昨年度立ち上げた振動分光による実験では、まず昨年度得た高被覆吸着分子間に見られる反発的相互作用に関して、測定結果の定量解析を済ませ論文にまとめた。この成果は、斥力によって傾く吸着分子間に働いている相互作用を、定量的(バネ定数にして約10N/m程度)に捉えた数少ない研究として、評価されている。また、今年度の実験からは、低被覆吸着分子間には、空間を通して伝わる斥力の他に、下地を介した斥力が同程度(数十meV)作用していることを明らかにすることが出来た。さらに、観測された超構造の解析から、ドメイン内の超構造の形成には引力的相互作用が重要な役割を果たす場合があること、しかもその引力相互作用は、数meV程度という極めて小さなものであっても、超構造の形成に大きな影響を与えていることを見出した。現在、本解析結果を原著論文としてまとめており、近く投稿する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)