Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Research Abstract |
5つの芳香族置換基を有する15族元素(例えばEAr_5,E=P,As,Sb,Bi)や関連するAr_4E^±、Ar_3Te^±などは古くから研究されているものの、対応する超原子価16族元素化合物(Ar_5Te^+またはAr_5Te^-)は全く未知である。最近申請者らが合成した芳香族環を6つ有する元素の初めての例であるTeAr_6の新しい知見に基づき、炭素配位子から成る5配位有機テルル種Ar_5Te^±を合成し、新しい結合様式である超原子価テルルの性質を明らかにする目的で研究を行った。 本申請課題のAr_5Te^+の合成は昨年度合成に成功した炭素配位子を5つ有するAr_5TeX(Ar=Ph-,p-CF_3C_6H_4-,X=F,Cl,Br)を用いてハロゲンを引き抜くことで合成した。この超原子価カチオン種Ar_5Te^+は驚くべきことに室温下安定に存在し、その構造はX線結晶構造解析により確定し四角錐型構造を有することを明らかにした。溶液中ではBerryの擬回転状態にあること見いだした。また古典的オニウム種Ar_3Te^+との対比から新しい反応性として還元的脱離反応、不均反応などを起こすことが明らかになった。対応するアニオン種Ar_5Te^-はAr_6Teの金属カリウムとの反応により溶液中低温下存在することを各種スペクトルデータおよび反応により確認した。この超原子価アニオン種は炭素官能基化が可能であり新しい6価有機テルル化合物へと導くことが出来た。
|