Project/Area Number |
10740305
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
稲田 康宏 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (60242814)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 時間分解EXAFS法 / ストップトフロー法 / 短寿命反応中間体 / 分散型光学系 / 電子移動反応 / 内圏型反応 / コバルト(III)錯体 / 鉄(II)イオン / 時間分解XAFS法 / N, N-ジメチルホルムアミド |
Research Abstract |
本研究では、内圏型電子移動反応過程に含まれる短寿命反応中間体の構造について、これまでに確立した時間分解ストップトフローEXAFS法を用いて解析することを目的としてきた。本年度は、測定した時間分解EXAFSデータの解析による短寿命電子移動中間体の構造解析と、エネルギー分散型光学系を有する放射光光源の新しい時間分解EXAFSシステムの開発を行った。 N,N-ジメチルホルムアミド(dmf)中における[Co(NH_3)_5Cl]^<2+>錯体と[Fe(dmf)_6]^<2+>イオン間で進行する電子移動反応は、Co(III)中心とFe(II)中心とをCl^-イオンが架橋したような電子移動前駆中間体を経て進行する内圏型機構で進行することを昨年度中に明らかにしており、その結果をふまえて、EXAFSスペクトル測定に適した最適化実験条件を構築し、電子移動前駆中間体の時間分解EXAFSスペクトルを測定した。その結果、反応中間体のXANESスペクトルが反応物である[Fe(dmf)_6]^<2+>イオンと類似していることから、中間体生成の段階で電子移動が起こっていないことを確定し、また、中間体中のFe(II)中心周りの配位数が反応物での6から約5へ減少していることを示した。これは、Fe(II)イオンに配位しているdmf分子とCo(NH_3)_5フラグメント間の立体的な反発に由来していると解釈できる。 また、従来の時間分解EXAFS装置よりも短時間で、なおかつ、より精度の高い時間分解EXAFSスペクトルを得ることを目的として、エネルギー分散型光学系を有する放射光光源の時間分解EXAFS装置を物質構造科学研究所・フォトンファクトリーで開発し、それを用いて金属銅表面で進行する触媒反応過程の中間体の構造解析に成功した。
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