制限空間内における配向無秩序結晶の相転移と分子運動
Project/Area Number |
10740331
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
高原 周一 岡山理科大学, 理学部, 助手 (20289135)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 制限空間 / 配向無秩序結晶 / 相転移 / 分子運動 / MCM-41 / 誘電率 / NMR / DSC |
Research Abstract |
1 DSC測定 柔粘性結晶を形成する種々の有機液体をメソ孔直径5.8-13.6nmの多孔性シリカに吸着させた試料についてDSC測定を行い,シクロヘキサン,四塩化炭素,2,2-ジメチルブタン等でメソ孔中における融解および柔粘性結晶-秩序結晶間転移を見いだした.全ての系において,孔直径を小さくすると融解のピークは消失した.一方,結晶間転移のピークは全ての孔直径の試料において観測された.これは柔粘性結晶が秩序結晶に比べ柔らかい結晶であるため,メソ孔内では表面場により容易に構造が乱されるためと考えられる. 2 NMR測定 多孔性シリカメソ孔中に吸着させたシクロヘキサンのH-NMR測定を行った.柔粘性結晶相におけるバルクシクロヘキサンとメソ孔中シクロヘキサンのスペクトルを比較すると,後者の方がスペクトルがシャープであり,メソ孔中の分子の方が速い運動をしていることがわかった.これは,メソ孔中の柔粘性結晶の構造が乱れているという,DSC測定からの予測と矛盾しない,今回の結果は,メソ孔内の分子運動が単純な制限空間効果では説明できず,主にメソ孔内における結晶構造の変化により支配されることを示唆している.これは構造変化を考慮に入れずに協同運動領域サイズを見積もる従来の方法が適応できないことを意味する. 3 誘電率測定 10年度に自作した誘電率測定装置を用いて,MCM-41メソ孔に毛管凝縮させたメタノールおよびエタノールの複素誘電率測定を行った.測定された誘電スペクトルはメソ孔表面付近およびメソ孔中心部のアルコール分子からの寄与に分離でき,それぞれの回転緩和時間が決定された.その結果,回転緩和時間はバルク,メソ孔表面付近,メソ孔中心部の順で大きくなることがわかった.また,メソ孔中のアルコール分子の回転緩和時間には,かなり分布があることがわかった.
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)