酸素を利用した四連続不斉炭素構築反応の開発とその天然物合成への応用
Project/Area Number |
10740337
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物質変換
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河合 靖 京都大学, 科学研究所, 助手 (20240830)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 還元酸素 / β-ヒドロキシエステル / 三連続不斉炭素 / 四連続不斉炭素 / 不斉還元 / マクロライド / 還元酵素 |
Research Abstract |
α位に2級の置換基を有するβ-ケトエステルを、酵素を用いて不斉還元し連続する不斉炭素を有するβ-ヒドロキシエステルを合成し、天然物合成、特にマクロライドの不斉炭素ユニットへの変換を行なうのが研究目的である。 α位に2級の置換基を有するβ-ケトエステルは効率的な合成方法が無く、高収率での合成ができなかった。今まではβ-ケトエステルと2級のハロゲン化合物の求核置換反応で合成していたが、収率は20%以下で満足のいくものではない。様々な合成経路を検討したところ、β-ケトエステルのシリルエノラートとアルデヒドのジメチルアセタールとの反応において高収率で、α位に2級の置換基を有する種々のβ-ケトエステルが合成できることを見いだした。本方を用いて合成した種々のβ-ケトエステルを、Saccharomyces cervisiae由来のケトエステル還元酵素(YKER-I)で還元したところ立体選択的に三連続不斉炭素を有するβ-ヒドロキシエステルを得ることができた。 この結果は、本酵素が様々なβ-ケトエステルにおいて反応点およびその近傍の連続する不斉炭素を厳密に認識し、全くのラセミ体の化合物から一段階で三連続不斉炭素を有する化合物に変換できる能力を有していることを示している。また得られた化合物はマクロライドであるAmphotericin,NystatinおよびMycoticinの連続不斉ユニットの前駆体として考えられ、この前駆体の効率的な合成法を確立した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)