Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
1.リン酸とケイ酸の吸着ストリッピングボルタンメトリー(AdSV) リン酸及びケイ酸はモリブデン(VI)酸との錯体(ヘテロポリ酸)としてグラッシーカーボン作用電極(GCE)上に濃縮した。ヘテロポリ酸を安定させる目的から電解波にアセトンを加えた。どちらの元素も検量線は5〜100ng ml^<-1>で原点を通る直線となり,50ng ml^<-1>での相対標準偏差は約3%であった。開発した方法は,従来の吸光光度法に比べて感度が1〜2桁向上し,リン酸及びケイ酸の新しい高感度定量法として極めて有用であった。ケイ酸のAdSVを鉄鋼試料に応用した。鉄の妨害は,酒石酸ナトリウム溶液を加えて抑制した。鉄の許容共存濃度は100〜1000μmgl^<-1>であり,10μgg^<-1>以上のケイ素を含む鉄鋼試料へ適用可能であった。鉄鋼中ケイ素のJIS化学分析法(モリブドケイ酸青吸光光度法:適用範囲の下限100μgg^<-1>)に比べて感度が1桁向上した。 2.モリブドリン酸及びモリブドケイ酸の析出メカニズムの解明 モリブドリン酸のサイクリックボルタモグラムには複数の酸化還元ピーク(0.3〜0V vs.SCE)が存在した。作用電極電位を-0.2V vs.SCEに設定して電解したところ,電極表面でモリブドリン酸ブルーの生成が認められた。リン酸のAdSV上では-0.2V vs.SCEで前濃縮していることから,モリブドリン酸ブルーとしてGCE上に吸着濃縮した後,モリブドリン酸として酸化溶出する際のピークを定量に利用していることが分かった。 モリブドケイ酸の前濃縮電位は-1.1V vs.SCEであり,この条件ではモリブドケイ酸ブルーではなく黒色化合物が作用電極上に析出した。X線回折の結果からこの化合物は酸化モリブデン(MoO_2)と判明した。ケイ酸の場合は,酸化モリブデンとしてGCE上に析出濃縮した後,これをモリブデン(VI)酸の形で酸化溶出していることが明らかとなった。
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