気孔孔辺細胞の青色光情報伝達に関わるプロテインホスファターゼの機能解析
Project/Area Number |
10740371
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木下 俊則 九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50271101)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 気孔 / 孔辺細胞 / 青色光 / プロテイン・ホスファターゼ / タイプ1プロテインホスファターゼ / 蛋白質脱リン酸化 |
Research Abstract |
本研究では気孔孔辺細胞の青色光情報伝達に関わるプロテインホスファターゼの機能解析を目的として研究を行った。まず、既知の真核生物type1及びtype2A protein phosphatase(PP1及びPP2A)触媒サブユニットにおいて高度に保存されている領域からPCRプライマーを設計し、PCRを行った。その結果、孔辺細胞では少なくとも2種類のPP1触媒サブユニット、3種類のPP2A触媒サブユニット、そして2種類のPPX触媒サブユニットが発現していた。そのうち、vfPP1c-1,vfPP2Ac-1,VfPP2Ac-2,vfPP2Ac-3の全長のcDNA単離した。これらのcDNAがコードする蛋白質は、植物の既知のPP1及びPP2A触媒サブユニットとアミノ酸レベルで80-90%の同一性が見られた。PT-PCR解析により、これらの遺伝子は孔辺細胞のみならず根、葉においても発現していることが明らかとなった。さらに、vfPP1c-1及びvfPP2Ac-1を大腸菌の発現ベクターpGEX-2Tに挿入し、グルタチオンSトランスフェラーゼとの融合蛋白質として発現後、精製し生化学的性質の解析を行った。リン酸化ホスホリラーゼaを基質として脱リン酸化活性を測定したところ、これらの組み換え蛋白質は、プロテインホスファターゼ活性を持ち、その活性は阻害剤であるオカダ酸やカリクリンAによって阻害された。以上の結果より、vfPP1c-1,vfPP2Ac-1がPP1及びPP2Aの触媒サブユニットをコードすることが確認された。これは、孔辺細胞からプロテインホスファターゼの遺伝子を世界で初めて単離したものである。今後は、これら触媒サブユニットと相互作用を示す調節サブユニットのcDNAを単離し、より詳細な機能解析を行いたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)