Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
マキ科Dacrydium属の範疇と系統関係を解析するために、広義のDacrydium属15種をマキ科の全ての属(16属)、マキ科に最も近縁であると見なされているPyllocladaceae,並びにこれらの外群としてAraucariaceae,Cupressaceae,Taxodiaceaeと共に分子系統解析を行った。解析に用いたのは葉緑体DNA上のmatK遺伝子とrbcL遺伝子の合計約2600bpである。その結果以下のことが明らかになった。 1.広義のDacrydiun属は側系統群であり、これまでの分類の扱いが錯綜してきた以下の属は狭義のDacrydium属から明瞭に区別される:Halocarpus(H.kirkii,H.biformis);Lagarostrobos(L.colensoi);Lepidothamnus(L.Intermedium,L.fonckii). 2.狭義のDacrydium属はFalcatifolium属と姉妹群を形成し、さらに狭義のPodocarpus,Afrocarpus,Nageia,Decussocarpus,Retrophyllumと近縁である。 3.上記1以外のDacrydium属構成種は狭義のDacrydium属として認識される。このうちニューカレドニア固有の全4固有種は単系統であり、種間の塩基置換がほとんど認められなかった。これは共通祖先由来の急速な適応放散を示唆しており、AraucariaやAgathis,Nothofagusなどのほかのニューカレドニア固有種にも共通して認められる現象である。
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